1918年、オルトフォンはデンマーク・コペンハーゲンで誕生しました。
オルトフォンの歴史は、1918年にA.ピーターセンとA.ポールセンが創立したエレクトリカル・フォノフィルム・カンパニーにその源を発します。二人は、この会社から行った史上初の本格的な音の出る映画システム“SYSTEM PETERSEN OG POULSEN”の発表で世界に名を馳せました。エレクトリカル・フォノフィルム・カンパニーは、後にフォノフィルム・インダストリーA/Sと改称され、その傘下に、1951年オルトフォンA/Sが設立されました。
「オルトフォン」の名称自体は、既にこの以前からピックアップ製品等に対するブランド名として使用されています。「オルトフォン」は、ギリシャ語の「真正な」「正統な」を意味する“orto”と、同じく「音」を意味する“fon”の2つを組み合わせた造語です。オルトフォンはその名の示すとおり、終始「アナログサウンド」に関わって歩みを進めてきました。そして、自ら標語として掲げる“ACCURACY IN SOUND”の実現を一貫して追求し続けています。
Concordeのエントリーモデルにしてオリジン。ハイレベルな楕円針(E)仕様
ヘッドシェルとカートリッジ本体を一体型としたConcordeシリーズは、同時期に就航した超音速旅客機に着想を得て1979年に発表された、オルトフォンの「象徴」のひとつといえるカートリッジです。当初Hi-Fi用途として誕生したこのシリーズは、高いポテンシャルと流麗なデザインを買われてDJ用モデルも開発され、現在ではDJカートリッジの代名詞ともなっています。そして原型モデル誕生から45年を経た2024年、オルトフォンは現代のアナログ再生環境に合わせた高性能Hi-FiモデルのConcorde Musicシリーズ5機種を発表、そのポテンシャルを再び世に知らしめました。この成功を受け、我々はさらなる普及を目指してConcordeの優れた素質をそのままに、かつリーズナブルとなるエントリーモデルを新たに開発。こうして誕生したのがConcorde 5シリーズで、丸針の5Sと楕円針の5Eの2モデルをラインナップし、スタイラス(交換針)はS・E双方に互換性をもたせ、挿し替えを可能としています。コストパフォーマンスに優れ、ヘッドシェルの取付やリードワイヤーの配線などを行わずに高音質なレコード再生を楽しめるConcorde 5シリーズは、レコードやオーディオの趣味を始めたばかりのビギナーの皆様にも自信をもってお勧めできるカートリッジです。そして本シリーズは、先行のMusicシリーズ以上に原型モデルの性質を色濃く残しています。往年のオリジンたちを記憶に留めているベテランの皆様にも、あわせてお勧めしたい逸品です。
※Cocnorde 5シリーズはMM型カートリッジにつき、ボディに装着されたStylus(針先ユニット)部分をユーザー様ご自身で交換することができます。また、本シリーズにはカートリッジ本体部分に互換性があり、Cocnorde 5SとCocnorde 5Eの本体ではそれぞれの交換針であるStylus 5S(丸針)とStylus 5E(楕円針)双方の使用が可能です。
※Cocnorde 5シリーズはHi-Fi用カートリッジです。スクラッチやバックキューイングなど、DJ用途のご使用は針先を傷める場合がありますのでご注意ください。
商品説明
Ⅰ.現代のアナログ環境に合わせてリファインされたボディかつてのHi-Fi用Concordeシリーズは、ローマス(軽質量)の理想を体現するためにヘッドシェル込みの自重を6.5gとしていました。これは現行のMM型カートリッジ2Mシリーズ(自重7.2g)のカートリッジ本体のみ(ヘッドシェル含まず)を下回るもので、当時主流であった軽質量カートリッジ向けのトーンアームとのマッチングに主眼が置かれていましたが、現代のアナログ再生環境において軽質量カートリッジと相性の良いトーンアームは珍しい存在となりつつあることも事実です。これを鑑み、Concorde 5シリーズの自重は上位モデルのMusicシリーズとほぼ同様の18.5gとなりました。この自重であれば軽質量向けトーンアームに限らず、ある程度の質量をもったカートリッジの装着を前提として開発されたトーンアームでの使用も可能となります。なお、Concordeシリーズはヘッドシェルとカートリッジが一体につき、ユニバーサル型のトーンアームへの取付を前提としております。トーンアームのパイプとヘッドシェルが一体、もしくは専用品同士の場合は、同系機種のOM 5/Super OM 5シリーズの使用を推奨します。
Ⅱ.ハイコンプライアンスの面影を残す振動系
先に述べたように、かつてのConcordeシリーズはローマスとハイコンプライアンス(針先の動きやすさ)を至上命題として開発されました。そのため、使用するトーンアームによってはConcorde側が極端な軽質量のために使用できなかったり、ミスマッチとなったりする事例が発生しました。これを鑑み、DJ用モデルを含む現行のCocnordeシリーズでは往時の製品ほどコンプライアンスを高く取らず、様々なトーンアームとのマッチングを考慮した汎用性をもたせています。ただ、Concorde 5シリーズは他のConcordeシリーズよりもコンプライアンスを多少高めとし、かつDJ用モデルとは異なる軽量なHi-Fiカートリッジ用カンチレバーを採用しているため、ローマス・ハイコンプライアンスなカートリッジの装着を想定したトーンアームとの相性も良好な傾向にあり、現行モデルの中では往時の面影を残した製品といえます。
Concorde 5E(楕円針)の特徴
スタイラスチップに接合式楕円針を採用しています。丸針モデルのConcorde 5Sと比較するとレコード盤の音溝表面に刻まれた音声信号をより細かくピックアップ(拾い上げ)することが可能で、5Sに比べワイドレンジでクリアな音色を特徴とします。またトーンアームのセッティングをある程度緻密に行うことで、そうでない場合よりも音色のクオリティ向上を実感しやすいモデルです。
なお、本シリーズは姉妹モデルのOM 5シリーズと同様に交換針のStylus 5Sおよび5E双方の使用が可能につき、針先交換を行うだけでConcorde 5Sから5Eへのアップグレードを行うことができます。
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仕様
●出力電圧 (1kHz, 5cm/sec.): 4mV●チャンネルバランス (1kHz): 2dB
●チャンネルセパレーション (1kHz): 20dB
●周波数特性 (20Hz-20,000Hz): ±3dB
●水平コンプライアンス: 20μm/mN
●スタイラスタイプ:Elliptical
●スタイラスチップ半径: r/R 8/18μm
●カンチレバー素材: アルミニウム
●適正針圧: 1.8g
●内部インピーダンス: 750Ω
●推奨負荷インピーダンス: 47kΩ
●コイル線材:OFC
●自重: 18.5g
●JAN:5705796031836
●対応交換針:Stylus 5S(JAN:5705796013856)/Stylus 5E(JAN:5705796130027)